夜会で踊りましょ!!
第7章 遥香と歩睦の夜中の…
「橘様までに、ある程度詰めておかないと…」
ノートに何か書き始めた遥香。もう、こうなったら止まらない。
「はー…かしこまりました…」
歩睦は大きくため息を吐くと、携帯を取り出して、床に座って、柾季に電話をかける。
テルルゥゥ!
「はい!」
直ぐに柾季が電話に出た。
「ワンコールで出た…ビックリだ…」
歩睦がビックリしていると、遥香がノートを両開きにして書いている事を指差す。《私の事は内緒》
「ああ、お疲れ。急に遥香に呼ばれて、大丈夫だったか?お爺ちゃん怖いんだろ!」
「そうか…大丈夫そうでよかった!」
遥香が口パクと身振りで、『スピーカーをオンにして』と訴える。
「柾季に決まってるだろ!落ち込んでないか心配した」
歩睦はウンウンと、うなずいて、通話のボタンを押す。
「………今は落ち込んでる」
「え?」
『落ち込む』のワードに驚いて顔をあわせる遥香と歩睦。
「晩飯。また魚だった…肉食いたい!」
「なんだよ!話とび過ぎ!」
返事が深刻じゃないから、脱食する二人。
「はは!悪い悪い…で、わざわざ電話かけて来たって事は直接話したかったんだろ、なんだよ…」
「ああ、少し気になったから、確認な…」
チラッと、遥香を見る。
遥香はノートのキーワードを指差す。
《歩睦の真似しているか?》
「なんの確認だよ」
「…柾季ってさ、翼女ちゃんの前で、僕の真似してる?」