テキストサイズ

夜会で踊りましょ!!

第8章 浴衣は勝負服!

「陣内様。お二人の浴衣が出来ましたら、お電話いたします」
 綾郷が助け舟のように声をかけて来た。

「あぁ綾郷さん。宜しくね」
 柾季を開放する母。

「助かった…」
 フラフラっと座り込む柾季。

「柾季様。またゆっくりお話したいですね」
 綾郷が柾季に手を差し伸べ微笑む。

「は、はい」
 柾季は顔を少し赤くしてその手を取って起き上がる。


「小物とかは、出来上がりの時に会わせるから、一通り見繕っていて」
 母が笑顔で言う。
 心は花器でいっぱいのようだ。


「かしこましました」
 頭を下げる綾郷。



「ありがとうございました。またお越しください!」
 店員が一列に並んで見送る。



 車の中


「遥香ちゃんごめんね。もっと、ゆっくりしたかったでしょ」
 運転する母が申し訳なさそうにいう。

「いいえ。とってもいい時間でしたよ。イケメンいっぱいでした」
 ニコニコの遥香。

「そう良かったわ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ