無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「…で！柾季の浴衣…どんなのに、した？」
　興味津々の歩睦が食事をしながら柾季に質問する。

「…秘密」
　柾季はお椀を持って味噌汁を飲む。

「なんだよ！勿体ブルなよ」
　歩睦が柾季の体を揺する。

「当日見せるよ。俺もどんなのになるか分からないんだから！」
　柾季は体を揺られながら答える。

「確かに…楽しみにしているよ」
　歩睦は納得した。

「オレは、浴衣のことより、その…『夜会』の事知りたい…」
　柾季は運ばれてきた昼膳を箸でつつきながら二人に聞く。

「浴衣を着て、神社で踊るのよ」
　遥香が素っ気無く返事をする。

「ソレは知ってる…
俺が聞きたいのは『踊り』ってどんな踊り？って事、
盆踊りみたいな感じ？
まさか、社交ダンスみたいな、密着ダンス！」
　さっきまで、眠そうだった柾季が顔を少しだけ赤くしながら言う。

「橘様の踊りは…盆踊りよりマイムマイム見たいな感じかな？」
　歩睦が腕だけで踊りを表現している。

「簡単か？」

「僕らは、運動会とかで踊ってるから踊れる。柾季も多分大丈夫じゃないかな？」
　歩睦が真面目に答える。

「そうかぁ…」
　柾季は数回小さくうなずいて、昼膳を食べる。




「遥香…連絡はしたの？」
　歩睦が小声で遥香に聞く。

「うん…でもまだ…来てない…」
　遥香が携帯のメールを確認している。