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「いたた…」
　柾季は持っていた物を全部落として、人に覆いかぶさる。

　傍から見ると、柾季が女の子を押し倒しているように見える。

「ご、ごめんね。怪我ない？前良く見えなくて…」
　柾季が心配そうに下になっている人を見る。

「だ、大丈夫ですので、ど、どいてください…」
　下になった人は、固まっている。

「あ、ご。ごめん」
　柾季は慌てて、立ち上がる。

　すでに、周りに人が集まっていた。

「二人とも大丈夫か？」
　男性スタッフが声をかける。

「は、はい！失礼しました」
　下になった人が、落ちてあるものを全部拾って脱兎のように走り去った。


「あ、僕の荷物もっていった…」
　あまりの勢いについていけない柾季。

（スタッフルームから出てきたから、関係者だよね）

「あ、あの…」
　集まっているスタッフの人に声をかける柾季。


「ダメですよ！先輩。須々木さんは、私たち以外打ち解けてないんですから…」
　怒り気味の女性スタッフ。

「ごめん…」
　誤っている男性スタッフ。


（ん？……ススキ？…女性以外ダメ？）

「あの」

「あ、はい。何か？」
　男性スタッフがこちらを向いてくれた。


「さっきの子に、僕の荷物も持って行かれたんですが…連絡取ってもらえますか？」
　手ぶらをアピールする柾季。

「あ…ミミ連絡してあげて…」

「はーい」

「じゃ、キミもココじゃなんだから」
　男性スタッフが柾季を連れて、少し離れた休憩に行く。