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夜会で踊りましょ!!

第10章 『橘姫の絵画展』

「あのさ、オ…じゃなくて、僕の荷物…」
恐る恐る言う柾季。

「あ、はい」
翼女が申し訳なさそうに荷物を渡す。

「ありがとう」
荷物を確認する柾季。

(あの絵がない…)

「翼女ちゃん、このパンフレットの中にコン位の紙入ってなかった?」
 柾季はパンフレットを持っていない方の手で大きさをジェスチャーする。

翼女が“?”の顔で柾季を見る。

「ちょっと前に人とぶつかったんだけど、その人の落とし物なんだ!」
 簡単に説明する柾季。

「ぶつかった…もしかして…これ?」
 翼女がハガキより少し大きい紙を出した。

「そう!」
 その紙を指差す柾季。


「これ…私の絵…」
 顔を赤くして小さくなる翼女。

「えっ!!じゃ!さっきぶつかったの…」

「私…かも…」
 声も小さくなる翼女。

(わー!!!!運命だ!絶対運命だよ)
 心で叫ぶマサキ。

「そ、そうだったのか…」
 柾季は心を押さえつけ冷静を装う。

「でも、よかった♪拾ったから、返さなきゃって思ってた」
 柾季の素直な感想を続けて言う。

「私、そそっかしいから、いつも、誰かとぶつかるの…」
恥ずかしそうにする翼女。

(翼女ちゃんってドジっ子?かわいいな♪)
柾季は今すぐに抱き締めたい気持ちを押さえながら、話を続ける。

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