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夜会で踊りましょ!!

第10章 『橘姫の絵画展』

「えーっと、翼女ちゃんも展示会の先輩に呼ばれたの?」
ハイテンションの先輩を思い出す柾季。

「先輩?…ううん、私は絵を出品してるの…」

「そうなの!?どの絵?」
 パンフレットを開く柾季。

「あ…大きな木と花の絵…」
真っ赤の顔がさらに赤くして絵を指差す翼女。


「この絵描いたの、翼女ちゃん!」

(確かにサインがT.Sだった…)

「どう…だった?」
 翼女の方から質問が来た。

「とっても、綺麗だった。橘の花もリアルだったな」
 絵の花を思い出す柾季。

「柾季君も花…詳しいの?」
 翼女は、少し落ち着き始める。

「僕も?」

「ほら、遥香ちゃんってお花の事良く知ってるでしょ」
 翼女がニコッと笑う。

(笑顔!今日早起きして、よかった)
 柾季の心の中は、お祭り騒ぎ。

「そうだね。僕も遥香も小さいときから花や木を触る事が多いからね」
 柾季は一所懸命、平常心を保って話す。


「…ぁぅ……そぉぅ…ですね…」
 翼女が下を向いて、黙ってしまった。


(あ…変だったかな…)
 柾季は、最善の行動と言葉を捜している。


沈黙・・・・・


(あぁこの沈黙が、痛い…)

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