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夜会で踊りましょ!!

第11章 橘様とは

「翼女ちゃんはココによく来るの?」
 沈黙を破ったのは柾季が先だった。

「え…」

「メニュー見ないで、飲むもの決めたから…」

「ミルクティーは大体のお店にあるから…」

「あーそうなんだ…」
(話が広がらない…せっかくのチャンスなのに…)
 柾季は翼女の容姿や仕草を観察する。

 翼女は大きな鞄を持ったまま、挙動不審に回りを見ている。

「お待たせしました」
 店員がマグカップを2つ乗せたトレイを持ってやって来た。

「あ、どうも」
 柾季がトレイを受け取る。

「ごゆっくりどうぞ!」
 定員がにこにこ去っていく。


 トレイに目をやると、ネコが陶器のスプーンを抱えたマグカップとライオンがスプーンを背負ったマグカップが乗っていた。

「はい、翼女ちゃんのミルクティー」
 柾季は迷うことなくネコを渡す。

「あ、ありがとうございます…あ…ネコ…」
 目の前のネコを触って微笑む翼女。

「ネコ好き?」
 柾季がこぼれた言葉を拾う。

「あーいえ、私的には“タチ”の方が…」
 頬を赤くしていう翼女。

「タチ?誰と?」
 柾季が不思議そうに問う。

「あ、いえ!!なんでもないです」
 翼女はしまったの顔して慌てて、訂正しようとする。

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