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夜会で踊りましょ!!

第11章 橘様とは

「なに?」
 柾季がその紙を見るために身を乗り出す。

「これは…前に住んでいた所にあった物なんです…」
 紙には、ミミズが這っているような線の古い文字が書いてある。

「これ古文書ってヤツ?」
 柾季の目が輝く。

「そうですが、これはコピーですよ」
 翼女は柾季のキラキラに圧倒される。

「…だよね。古いの持って回ると破れたり汚したりしたら大変だ…にしても、何って書いているのかさっぱりだ…」
 柾季はちょっとオーバーなリアクションで紙を持っている。

【我が姫は、疫(えき)より、その命守りし強き器の者。
我らの願いを……し、六叉(ろくさ)の刀…】
 翼女は、虫食いで文字が飛び飛びの文章を読む。

「翼女ちゃん!すごい!この字読めるんだ!」
 柾季が興奮する。

「文章解読してくれたのは、歩睦君のお父さんです。私はその時のメモを読んだだけです」
 翼女は真っ赤な顔して手を振る。

「歩睦の親?知り合い?」

「はい。土居准教授は私の父の友人なんです」

「へー…」
(だから、歩睦は平気なんだ…)
 柾季は一つ謎が解ける。

「准教授は、たくさんの事を教えてくれたんですよ」
 目がキラキラする翼女。

「そうなんだ…」
(翼女ちゃんの好みって年上系?いや、渋センって事も考えておこう…)

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