
薔薇はあいを囁く
第2章 薔薇の香りの麗人
鏡の中のあたしは、まるで犯されているみたいだった。
立人さんの大きな体が、小さなあたしの体にのし掛かってる。
「やっ…!」
すごく恥ずかしくなって、起き上がろうとしたら、立人さんの腕に捕まってしまった。
「逃がさないよ。どこにもね?」
「…怖いよ、やだ。」
「あい、このくらいで、怖がってたらこの先どうすんの?クス(笑)」
シュルシュルとネクタイを解いたかと思うと、立人さんは、そのままあたしの両手首を後ろ手に縛り上げてしまった。
「やっ…離して。これ解いて?」
「冗談でしょ?大丈夫、痛いことはしないから。」
