
薔薇はあいを囁く
第2章 薔薇の香りの麗人
立人さんは、両手を封じられて動けないあたしの体を、自分の膝の上に乗せた。
とたんに、顔を傾けられて、深く口づけされる。
「……んっ……。」
ふわりと鼻にかかる立人さんの、香り。
クチュクチュと蠢く、舌がたくさんの唾液を送り込んでくる。
その唾液さえ、甘い薔薇の味。
なぜか、全身の力が入らなくなる。
「…はぁ…はぁ……。」
唇を離されたときには、肩で息をしなければならなくらい、体力を奪われてわれてしまった気がした
。
実際に、あたしの体は、立人さんに支えてもらわなきゃ、ベットに倒れこんでしまいそうだ。
立人さんは、そんなあたしを見て、嬉しそうに微笑んだ。
「僕に従順になった瞬間のあいが、メチャクチャ可愛い。」
