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薔薇はあいを囁く

第3章 薔薇の正体



橘家から代々伝わる薔薇のお風呂に入り終えて、書斎に入ると、PCのテレビ電話のランプが点滅していた。

お祖父様からだ。

僕は、頭をガシガシ拭きながら、それに出た。


「なんですか。」


「立人、あの娘をどうする気なんだ?」


「いきなりそれですか?」


毎回聞かれる質問にため息しか出てこない。


「お祖父様、子孫を残せば、相手は誰でもいいと言ったのは、貴方でしょ?」


僕の言葉に、首を振り、煮えきらない顔をするお祖父様。


「…だが、あの娘は、お前を脅かす存在になるかもしれないんだ。」


「だからこそ、今から可愛がってあげているんですよ?邪魔しないで下さい。」



「わしは、お前が心配なんだ。壊れるのは、寧ろお前なんじゃないか
?」


「僕がそんな柔な人間だと?」


「いや、わしは、お前ほど強い人間はしらん。だが、もしもの時は…。」


「望むところです。」



そう言い放って、通信を切った。

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