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赤い恋 ~sho sakurai~

第9章 嫉妬




夜中、ふと目が覚めた。


……誰かリビングにいる…?


目が冴えてしまった私はパーカーを羽織ってリビングに向かった。


戸を開いて中を確認する。


結「…………あ、」


つい、声が漏れた。


翔「あ、結衣!ごめん、起こした?」


申し訳無さそうに顔の前で手を合わせた。


と、そのとき、朝の『でこちゅう』を思い出して一気に赤面する。


結「っうっううん…!平気…。翔ちゃんこそ……こんな遅くまでご苦労様……」

ちゃんと目を見れなくて私の視線は泳ぎまくり…。


翔「ありがとう。……どしたの?」


明らかに態度のおかしい私を疑問に思って尋ねる。


そっそんなこと言えるわけないしっ…!


結「……………///」


黙っていると翔ちゃんが小さく『あ』と言った。


ちらっと見てみると私より真っ赤な顔にして手を口に当てていた。


あの顔は思い出したな…。


そう思ってつい、ふっと笑ってしまった。

よく見てみると翔ちゃんは私が作ったカルボナーラを温め直して食べているみたいだった。


ゆっくり翔ちゃんに近づいて向かいに座る。


翔ちゃんはちょっとびっくりしたみたいだったけど、相変わらず顔を真っ赤にさせて尋ねてきた。


翔「その…………ごめんな……嫌……だった……かな…?」



しどろもどろになりながらもちらちらと私を見る。


黙って首をふり、微笑んだ。



結「ううん。喜んでくれて嬉しかったよ。すっごく!」


翔ちゃんは安心したように息をはいて『よかったー、』と胸を撫でおろした。


翔「すげぇ旨かったよ、お弁当」


にっこり笑う翔ちゃんを見て咄嗟にかっこいいなぁって思ってしまう。


結「ほんとに、ありがとう」


私も笑顔で返す。


翔「あとこれも」


カルボナーラを指差し『ありがとう』と言ってくれた。


結「ありがとう♪」



私もありがとうと返す。

翔「あははは!」


結「何なんだろうね(笑)これ(笑)」


2人して一緒に笑う。


…………幸せ♪


そのあとの記憶はゆっくり薄れていった。



…………なんだかとっても暖かかった。

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