赤い恋 ~sho sakurai~
第13章 意地悪
今日も翔ちゃんは仕事でもう10時を回った頃だった。
翔「ただいまー」
玄関から声が聞こえた。
結「おかえりなさい」
リビンクの戸を開けながら玄関へ向かう。
と、その瞬間、
?「あー!あなたが結衣ちゃん?!」
え?!だっ誰…?!
翔ちゃんの隣にはどこかで見たことのある女の人。
結「え、あっはい…………」
…………えっと…。
…………誰…?
?「あぁ、あたし、見たことない?沙良!姫川沙良だよ!一応女優やってまぁす♪」
あ!そっか、女優さんだ…。
結「はっ初めまして……」
彼女の元気っぷりに押されながらも挨拶をする。
沙「ふふっ、今ね、櫻井くんと共演してるの」
あぁ、共演者…。
結「そうなんですか、お疲れさまです」
沙良さんはにこにこ笑ってる。
翔「そのドラマの宣伝でラジオでてたんだけど、出待ちが多くてさ…呑んで帰ろうって言ってたんだけどちょっと無理っぽかったから……。移動車乗ってここまで来たんだよ」
翔ちゃんが苦笑いしながら説明してくれた。
結「そうだったんだ!大変だったね。あ!上がって上がって!沙良さんも!じゃあ私用意するね。家で呑むんでしょ?」
翔「うん、ありがとう」
……翔ちゃんに『ありがとう』って言われるの、私好きだなぁ。
そんなことを思ってキッチンへ入っていく。
翔「あ、にの帰ってたんだ!」
翔ちゃんが沙良さんとリビングに入ってきてにのを見つける。
和「あぁ、おかえり」
にのはソファでゲームをしながら答えた。
沙「ふふっ(笑)ほんとにずっとゲームしてるのね(笑)」
沙良さんが翔ちゃんに耳打ちする。
翔「あぁ(笑)まぁね(笑)だいたいずっと(笑)」
結「翔ちゃん、こんなのでいい?」
私はお酒に合うようなご飯を作って食卓に置く。
翔「あ、ごめん、ありがとう」
……ほらね、またそうやって優しい笑顔で『ありがとう』って言うでしょ?
結「う、うん///」
沙「…。じゃあ呑もっか!」
沙良さんが食卓の椅子を引きながら翔ちゃんに声をかけた。
翔「あぁ、うん」
翔ちゃんも食卓につく。
結「沙良さん、翔ちゃん、現場でどう?(笑)」
翔「は?それどういう意味だよ(笑)」
結「え~?(笑)」
翔「お前なぁ…(笑)」
結「アハハハ(笑)」