テキストサイズ

赤い恋 ~sho sakurai~

第16章 仕事




結「おはようございまぁす…」


スタジオには許可書がないため、入れない。

とりあえず入口前に立ってる警備員さんに挨拶…。


ここでまってればいいのかな?


と、

荒「結衣ー!」


テレビ局から荒井さんが小走りで私の元へと駆け寄ってきた。


結「荒井さん!久しぶりですね!」

突然の電話だったから。

考えてみれば…

荒「5…6年ぶりぐらいかなぁ…」


荒井さんは少し上を向いて言った。


結「ですね、」

仕事を辞めてからも何度か会ったことはあるけど、この仕事はとにかく忙しい。


なかなか会える時間はなく、もうそんなに経ったのか…。


荒「やぁー、でもほんと助かるよ、ありがとうねー」


荒井さんは私をテレビ局に入れてくれて、そう言った。


結「いやいや、お役に立てるかどうか…」

荒「ほんとに些細な仕事でもいいのよ!とりあえず人手が足んないの!」


荒井さんは手を顔の前でパンっと勢いよく合わせて私に頭を下げた。


結「やめてくださいよ(笑)やれるだけのことはやらせて頂きますね」


荒「助かる~!」


荒井さんはほっとした表情を浮かべて頭を上げた。


エレベーターを下りてスタジオに入る。


結「……わぁ…」


久しぶりだ……


結構…変わらないものなんだね…。


荒「ど?懐かしい?」


荒井さんはにっこり微笑んで私に聞いた。

結「とっても…。たまにはこういうのもいいかもしれませんね…」


私は辺りをキョロキョロとしながら言った。


荒「ははは(笑)そんな暇ないぐらい働かせてやる!(笑)」


結「わお(笑)」


こんな風に喋ってるけど回りの人は慌ただしくスタジオ中を走ってる。


なにすればいいかな…?


?「あれっ?!結衣ちゃん!」


声のした方を見ると、

結「あ!深瀬さん!」


深「ひっさしぶりだねー」


深瀬さんも私の元先輩で、明るくて面白い人。

荒「あたしが助っ人として呼んだのよ」


深「まじ?!助かるわー」


深瀬さんは片手を顔の前にして申し訳なさそうに片目を瞑った。

結「いえいえ、私も懐かしくってなんだか楽しいです」


私が仕事してた頃とほとんど変わらないスタジオ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ