テキストサイズ

時を止めて

第2章 幸せなオムライス


トントントン。

リズミカルな包丁が奏でる音がする。

ユノは、まだ夢見心地でベットの中、幸せな余韻に浸っていた。

…ちゃんみん?…

枕に顔を埋めながら、手探りで、彼の事を探してしまう。

…あれ?いないの?…

「…んっ?」

いきなり差し込んで来た光に、目を細めてしまう。

『ほら、ヒョン!!早く起きて下さい!!』

「うわぁ!!」

いきなりチャンミンに、布団を剥ぎ取られて、慌ててしまうユノ。
あまりの寒さにゾクッとする。
身を縮めてる、そんなユノの姿に、チャンミンは、フンッと鼻で笑う。

・・・笑止(笑)これがあの偉大なヒョンの姿ですか、情けない・・・


必死で布団を取り返そうとするが、チャンミンは絶対に渡そうとしない。
しまいには、ユノが甘えた声を出す。

「寒い。寒いよぅ、ちゃんみな~♪」

『そんな甘えた声を出して?僕を誘ってますか?お?』

「なっ!!ばっ、ばっかじゃねーの!??」

一転して、真っ赤になって否定するが、ユノの目は、明らかに泳いでいた。

『とにかく、起きてください。朝ごはん、食べて?』

「えー!!ちゃんみな~?作ってくれたの?」

『はぁ。仕方ないでしょ?もう僕たち二人しかいないんですから。ヒョンは不器用だから、料理は作れない。違いますか?』

「そうだけど。悪ぃな。」

『・・・どうでもいいですけど、その涎まみれの顔、洗ってきたらどうですか?それに、さっきから僕の顔を見てニヤニヤしてて顔に締りがないですよ?』

「ま、マジ?」

『はい。』

そう言うと、チャンミンは、柔らかく笑って、寝室を出て行ってしまった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ