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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜

「どれ、私も何か願い事を書いてみるとしよう」
 灯籠は本堂の回廊沿いの軒下にズラリと吊られている。しかし、もう遅い時間のため、既にたくさんの灯籠が参詣人によって持ち去られていた。
 櫛の歯が欠けたように空白があり、その合間、所々に灯籠がまだ残っているという状態である。
「あそこの灯籠の中からどれでもお好きなもの一つを選んで下さい」
 軒下を指し示すと、ユンは適当な灯籠を選んだ。

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