身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
いきなり抱き寄せられ、明姫は愕いた。
「旦那さま、人が、村人が見ています」
身を捩り抗うのに、ユンがますすす強く抱きしめてくる。
「構わぬ」
息もできないくらいきつく抱きしめられ、明姫もまた応じるかのようにユンの肩に顎を押し当てた。
「もう二度と、そなたを失いたくない」
ユンのくぐもった声が震えていたのを、明姫は確かに耳にしたのだった。人眼も構わず抱き合う二人はどれくらいそうやっていたのか。ふと我に返ると、小さな塊がもぞもぞと足許で動いている。
「旦那さま、人が、村人が見ています」
身を捩り抗うのに、ユンがますすす強く抱きしめてくる。
「構わぬ」
息もできないくらいきつく抱きしめられ、明姫もまた応じるかのようにユンの肩に顎を押し当てた。
「もう二度と、そなたを失いたくない」
ユンのくぐもった声が震えていたのを、明姫は確かに耳にしたのだった。人眼も構わず抱き合う二人はどれくらいそうやっていたのか。ふと我に返ると、小さな塊がもぞもぞと足許で動いている。