身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
観玉寺にいるのは寺男の妻やヒャンダンを除けば、男ばかりである。明姫が村の男と接触する可能性は殆どなく、彼女にそんなことを言わせたのが誰かはほぼ想像はついた。
ふいに二月初めにここに来たときのことが思い出され、ユンの顔は蒼白になった。明姫と親しげに話していた若い僧、確か名は慈鎮とかいったか。
ユンに乱暴に抱き上げられ、明姫は危うく叫びそうになった。
「殿下」
「応えよ、明姫」
「私―」
ユンは明姫を抱いたまま、大股で歩き始める。振り落とされそうになり、明姫は慌ててユンにしがみついた。
ふいに二月初めにここに来たときのことが思い出され、ユンの顔は蒼白になった。明姫と親しげに話していた若い僧、確か名は慈鎮とかいったか。
ユンに乱暴に抱き上げられ、明姫は危うく叫びそうになった。
「殿下」
「応えよ、明姫」
「私―」
ユンは明姫を抱いたまま、大股で歩き始める。振り落とされそうになり、明姫は慌ててユンにしがみついた。