身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】 祭りの夜
ユンは独裁者でも暗君でもない。しかし、今の世を真っ向から批判されて、嬉しいはずはないのだ。慈鎮の指摘は下手をすれば国王を批判したとして、不敬罪に問われる可能性のあるものだ。
「名前が言えぬ者なのか?」
ユンの黒瞳が真っすぐに明姫を射貫いている。その視線の鋭さに、明姫は背筋に氷塊を当てられたような心地がした。
「誰なのだ、その者の名前を申せ」
「殿下」
「私には言えぬ者なのか!?」
ユンの顔色が変わった。
「まさか、男なのか?」
「名前が言えぬ者なのか?」
ユンの黒瞳が真っすぐに明姫を射貫いている。その視線の鋭さに、明姫は背筋に氷塊を当てられたような心地がした。
「誰なのだ、その者の名前を申せ」
「殿下」
「私には言えぬ者なのか!?」
ユンの顔色が変わった。
「まさか、男なのか?」