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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第14章 第三話 【観玉寺の廃妃】  祭りの夜

 なのに、彼女が他の男を少しでも庇ったりするのさえ、嫌なのだ。明姫が普段、自分の知らない場所で慈鎮と親しく話したり、眩しい笑みを向けているのかと想像しただけで、嫉妬に身もだえしそうになる。
 自分がこんなにも狭量で嫉妬深い男だとは、これまで考えたこともなく、考えれば考えるほど自己嫌悪に陥った。しかも、彼女をこんな境遇に追いやったのは他ならぬ自分ではないか!
 これでは、明姫に嫌われてしまったとしても、仕方ない。けれど、最早、明姫に溺れ切っている自分が彼女を諦めることなどできはしない。また都から一日かけてここまでやってきて、彼女が拒めば、強引に身体を開くことになる。

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