身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】 再生
三月も終わりが近くなり、山は一斉に春を迎えようとしている。裸木であった樹には青々とした葉が茂り、土肌が見えていたところにも緑の下草が生え、さながら燃えるような緑の絨毯で覆われた。
だが、その眩しい緑の光景も今は純白の雪に閉ざされている。昨夜、季節外れの雪が降った。朝から鈍色の雲が重たく垂れ込めていると思っていたら、夕刻から白いものが落ち始めた。
雪は一晩中降り続き、朝には観玉寺の境内もうっすらと雪に覆われた。この季節に雪が降るのは十年ぶりだと今朝、慈鎮が話していたのを思い出しながら、やはりあの夜、ユンに慈鎮の名前を出さなくて良かったと思う。
だが、その眩しい緑の光景も今は純白の雪に閉ざされている。昨夜、季節外れの雪が降った。朝から鈍色の雲が重たく垂れ込めていると思っていたら、夕刻から白いものが落ち始めた。
雪は一晩中降り続き、朝には観玉寺の境内もうっすらと雪に覆われた。この季節に雪が降るのは十年ぶりだと今朝、慈鎮が話していたのを思い出しながら、やはりあの夜、ユンに慈鎮の名前を出さなくて良かったと思う。