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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生

「洗濯など私が致します。この寒さで風邪でも召されたら大事ですよ。それに、まだお身体も本調子ではないのに」
 ヒャンダンの言っている意味が判るだけに、恥ずかしくて消えてしまいたいくらいだ。
「大丈夫よ、もう殆ど治ったから」
 言い終えて、明姫は胸を片手で押さえた。
「またご気分が悪いのですか?」
 ヒャンダンが心配そうに訊ねてくる。明姫は忠実な侍女を安心させるかのように明るく笑った。
「ほんの少しだけね」
「どうしたのでしょうね。昨日も一日中、何も召し上がれなかったではありませんか」

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