テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生

 しかし、万が一、彼が再び現れたとしても、彼がまた求めてきた時、身体を差し出せるのかどうかまでは判らなかった。もちろん、ユンは王なのだから、彼が望めば、明姫を好きにはできるだろう。そうなれば、また、あの辛く哀しい夜の繰り返しだ。
あんな優しさや労りの欠片もない営みに堪えられるのだろうかと考えると、ユンに逢う勇気はなかった。 
 と、背後でヒャンダンの慌てた声が聞こえた。
「淑媛さま、そのようなことをなさってはいけません」
 ヒャンダンが駆け寄ってきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ