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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生

「こんなことを言うのは何だげどもさ、淑媛さまは病気じゃないのではないかね」
「え?」
 ヒャンダンは思いも掛けない言葉に顔を上げ、まじまじとシミョンを見た。
 シミョンは少し罰が悪そうに視線を逸らす。
「ま、これは私の当てずっぽだけんど、やや子ができたら、女はああいう今の淑媛さまのようになるものだね」
「やや子、それはつまりご懐妊だと?」
「雲の上の方々はそんな風に言うのかねぇ。そう、そのご懐妊とやらじゃないのけ」
「でも、淑媛さまがそんなはずは―」
 言いかけたヒャンダンに、シミョンは意味ありげに囁いた。

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