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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第15章 第三話 【観玉寺の廃妃】  再生

「そうか。和尚の診立てなら間違いはないな」
 言葉が終わらない中に、明姫は強く抱きしめられ、そっと額に口づけを落とされた。
 彼女はコツンと頭をまたユンの胸にぶつけた。
「そのような仕種をするとは、まだ子どもなのだな。子どもが子どもを生むのか」
 突如として明姫が弾かれたように顔を上げた。
「何ですって? 誰が子どもなのよ?」
 降ろしてと、明姫が暴れ始めたので、ユンは咽の奥で笑いながら彼女をそっと地面に降ろした。大切な宝物を扱うような慎重な手つきに、思わず胸が熱くなる。

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