身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者
愛しき者
深い漆黒のしじまに得も言われぬ伽耶琴(カヤグム)の音(ね)が響き渡る。果てのない闇に絡みつくようなその音色は深い艶を帯び、嫋々とした風情は知らず聞く者の心の奥底にまで滲み入るようだ。
王がスと片手を上げると、たおやかな伽耶琴の音がふっと止んだ。
「このままそなたのつま弾く伽耶琴を聞いていたいのは山々だが、冬の夜は存外に短いからな」
王―ユンは悪戯っぽい笑みをその秀麗な面に浮かべている。
深い漆黒のしじまに得も言われぬ伽耶琴(カヤグム)の音(ね)が響き渡る。果てのない闇に絡みつくようなその音色は深い艶を帯び、嫋々とした風情は知らず聞く者の心の奥底にまで滲み入るようだ。
王がスと片手を上げると、たおやかな伽耶琴の音がふっと止んだ。
「このままそなたのつま弾く伽耶琴を聞いていたいのは山々だが、冬の夜は存外に短いからな」
王―ユンは悪戯っぽい笑みをその秀麗な面に浮かべている。