身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者
ウンの誕生を境にそれまでどこか侘びしげだった中宮殿は活気に包まれ、殊にウンが訪れたときなどは王妃の居室からは笑い声が絶えなかった。
心中はどうあれ、王妃と明姫がそんな様子だったから、後宮には波風一つ立たず、平穏そのものであった。五年前に第一王女を上げ、儚く失った温嬪はいまだに正気を手放したままだし、時の権力者領議政(ヨンイジョン)の養女として鳴り物入りで入内した賢嬪は王のお召しもなく、御子のおらぬまま鬱々として過ごしている。
心中はどうあれ、王妃と明姫がそんな様子だったから、後宮には波風一つ立たず、平穏そのものであった。五年前に第一王女を上げ、儚く失った温嬪はいまだに正気を手放したままだし、時の権力者領議政(ヨンイジョン)の養女として鳴り物入りで入内した賢嬪は王のお召しもなく、御子のおらぬまま鬱々として過ごしている。