身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者
幼い世子が乳母に連れられてくると、普段はひっそりとした中宮殿が俄に色めき立つ。王妃も必ず一日に一度は訪ねてくる王子の顔を見るのを心待ちにしており、やって来た王子を腕に抱き、幾度も頬ずりするのだった。
時には王が偶然、その場に遭遇することもある。
―そなたの父上(アボジ)と母上だ。父上(アバママ)、母上(オバママ)と呼ぶのだぞ。
まだ物も言えない赤児に真剣に話しかける王に、美しい王妃が世子を抱きながら微笑む。
―殿下、世子はまだ生後半年にございます。幾ら何でも早すぎましょう。
―しかし、中殿(チュンジョン)。私はこの子の愛らしい口から一日も早くに〝父上〟と呼んでみて欲しいのだ。
時には王が偶然、その場に遭遇することもある。
―そなたの父上(アボジ)と母上だ。父上(アバママ)、母上(オバママ)と呼ぶのだぞ。
まだ物も言えない赤児に真剣に話しかける王に、美しい王妃が世子を抱きながら微笑む。
―殿下、世子はまだ生後半年にございます。幾ら何でも早すぎましょう。
―しかし、中殿(チュンジョン)。私はこの子の愛らしい口から一日も早くに〝父上〟と呼んでみて欲しいのだ。