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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 観玉寺まで明姫を慕って付いていった女官香丹(ヒャンダン)は今、明姫付きの尚宮となっている。キャリアの女官になりたいのだという夢を叶え、ヒャンダンは毎日、水を得た魚のように生き生きと立ち働いていた。やはり、ヒャンダンには都から遠く離れた山寺よりは後宮女官としての暮らしが性に合うらしい。
 王妃と国王の寵妃は互いに立場を理解し合い、後宮も穏やかであり、問題は何もなかった。更に早くも第一王子を出産後七ヶ月で、明姫は国王の第二子を懐妊した。世子もすくすくと育っていて、明姫はまさに幸福のただ中にいた。―と思われたそんなある日、不幸は突然に彼女を見舞った。

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