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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

―そなたはどう思おうが、私は世子を我が腹を痛めた子だと思うていた。もちろん、この哀しみが生みの母であるそなたに勝るとは思うてはおらぬが、私の哀しみも察してくれ。
 中殿はすすり泣く明姫を抱きしめ、明姫の手を自分の手で包み込んだ。
―そなたには、二人目の子が宿っておる。紛れもなく国王殿下の血を引く、この国でただ一人の世継ぎだ。哀しみがあまりに深く、そなたまでもが世子の後を追うようなことになったら、殿下も嘆かれよう。辛いのは判るが、どうか気をしっかりと持ち、再び元気な子を産むと約束して欲しい。
 王妃の言葉は至極もっともといえた。ウンが自分一人の子でなかったのと同様、明姫の胎内に宿っている二人目の子もまたこの国にとっては大切な御子であり、王室にとっては必要な子なのだ。

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