テキストサイズ

身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

 王妃の言葉を尽くしての優しい諭しに、明姫もまた頷くしかなかった。
 ウンの葬儀は一国の世子としてしめやかな中にも盛大に執り行われた。
―明姫、私は五年前にも第一王女を失い、今また漸く得た世子をも失った。可哀想に、二人ともに私の子として生まれてきたばかりに、長生きできぬという不幸なさだめを負うたのだろうか。
 真顔で言うユンに、明姫は何も言えなかった。
―もしや私には元気な子は授からぬのか?
 彼はすっかり気弱になっているらしかった。明姫はウンを失った直後に中殿がしてくれたように、ユンの手を両手でしっかりと包み込んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ