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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第16章 第四話 【永遠の少女】 愛しき者

―大丈夫、そんなことはありません。今度はきっと丈夫な子が生まれてきます。だから、そんな哀しいことをおっしゃらないで。お腹の子が聞けば、きっと哀しみます。
―そうだな、今度はきっと丈夫な子が生まれてこよう。
 ユンもその言葉に、気を取り直したように弱々しい笑みを浮かべたものだった。新しい生命を宿している明姫に比べて、当初はユンの方がその落胆も衝撃も大きいものだったようである。
 しかし、あれから三月経ち、ユンも少なくとも見かけだけは以前と変わらない元気を取り戻している。代わりに明姫の方は日が経つにつれて、ウンと過ごした短い日々を思い出すことが多くなっていた。

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