身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
ユンはやるせなさそうな顔で明姫を見つめていたかと思うと、また訥々と続けた。
「ソンドンの死については、明姫の想像どおりだ。二年前、彼が突然、こんなことを言い出した」
―九年前のあの二つの火事は、どう考えてもおかしい。
当時、ソンドンは二十六歳になっていた。九年前といえば、ソンドンはまだ官吏にもなっていない。少年にすぎず、あの不審火で亡くなった長官や副官とはまったく面識もなかったのだ。
しかし、火事で亡くなった長官と副官はともに剛胆で知略に富み、任務と国王殿下への忠誠のためには生命をも惜しまなかったと捕盗庁の役人たちの間では伝説の英雄として語り継がれていた。
「ソンドンの死については、明姫の想像どおりだ。二年前、彼が突然、こんなことを言い出した」
―九年前のあの二つの火事は、どう考えてもおかしい。
当時、ソンドンは二十六歳になっていた。九年前といえば、ソンドンはまだ官吏にもなっていない。少年にすぎず、あの不審火で亡くなった長官や副官とはまったく面識もなかったのだ。
しかし、火事で亡くなった長官と副官はともに剛胆で知略に富み、任務と国王殿下への忠誠のためには生命をも惜しまなかったと捕盗庁の役人たちの間では伝説の英雄として語り継がれていた。