身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱
「これは?」
小首を傾げた明姫の声に応えるように、女官たちの背後からゆったりとした足取りで入室してきた者が言った。
「畏れ多くも清国の皇帝陛下より賜った早咲きの水仙にございます」
〝伯母上〟と思わず呼びかけそうになり、明姫は慌ててコホンと小さく咳払いをした。
元は大妃殿詰めで、今は監察(カムチヤル)尚宮となっている崔尚宮である。捕盗庁の副官であった明姫の父は十五年前に領議政(当時は左議政)白勇修(ペク・ヨンス)に殺された。ペク・ヨンスは大妃の同母兄であり、また中殿の父、今一人の側室賢嬪の養父でもある。
小首を傾げた明姫の声に応えるように、女官たちの背後からゆったりとした足取りで入室してきた者が言った。
「畏れ多くも清国の皇帝陛下より賜った早咲きの水仙にございます」
〝伯母上〟と思わず呼びかけそうになり、明姫は慌ててコホンと小さく咳払いをした。
元は大妃殿詰めで、今は監察(カムチヤル)尚宮となっている崔尚宮である。捕盗庁の副官であった明姫の父は十五年前に領議政(当時は左議政)白勇修(ペク・ヨンス)に殺された。ペク・ヨンスは大妃の同母兄であり、また中殿の父、今一人の側室賢嬪の養父でもある。