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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱

 窓から差し込む朝の光にキラリと輝いたのは―。明姫の黒い瞳が一瞬、大きく見開かれた。彼女は手を伸ばし、その器から光るものをつまみ上げた。
「和嬪さま、いかがなさいました?」
 ヒャンダンが訝しげに言い、近寄ってくる。明姫はただ茫然と手のひらに載せたそれを見つめていた。
「これは―針ではありませんか、和嬪さま」
 ヒャンダンの顔から見る間に血の気が引いていった。
「一体、何ものの仕業でしょう。畏れ多くも和嬪さまの召し上がる御膳に針を仕込むなどと」

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