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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱

「良いわ。わざわざ厨房まで運んでいって、また持ってこなければならないのは大変よ。少しくらい冷めていたって、私は平気だから、このまま食べてしまえば良いわ」
 明姫は明るく言うと、旺盛な食欲を見せて食事を再開した。しばらく箸を動かしていると、ヒャンダンの物言いたげな視線とぶつかる。
「まだ何かあるの?」
 ヒャンダンは、にっこりとした。
「私は和嬪さまのような御方にお仕えできて、本当に幸せ者です」
「いやだ、何を言い出すかと思ったら。こんな朝早くから、照れるじゃない」
 明姫は紅くなり、照れ臭さをごまかすようにうつむいた。その刹那、小卓の上に並んだ器の一つに眼が止まった。

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