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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱

「何という哀しいことを申すのだ。そなたは私の宝だと何度言い聞かせたら、理解するのだ? 宝を失って歓ぶ者が一体、どこにいる? 私にしてみれば、そなたがそのようなつまらぬことで悩んでいる様を見る方がよほど辛く情けない」
 ユンの心からの言葉に、明姫は瞳を潤ませてユンを見あげた。
 ああ、大好きな男(ひと)、私が生涯を捧げて悔いはないと思った、たった一人の方。
 そのひとが今、哀しみに満ちた眼で自分を見つめていた。
「それとも、そなたはこれほどまでに私が申しても、まだ私の言葉が信じられぬか?」
「いいえ、数ならぬ身にありがたいお言葉だと思っております」
 心からそう思う。

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