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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第17章 第四話 【永遠の少女】 波乱

 もしかして、これは褒められている?
 明姫はまたも小首を傾げながら訊ねた。
「殿下、それは褒めて下さっていると思って良いのですか?」
「昔から、そなたは変わらぬ。そなたと共にいると、私は王でも何でもない、ただのイ・ユンという一人の男になれる。それがとても心地よいのだ。そなたは本当に天から遣わされた私だけの宝だな」
―そなたは私の宝だ。
 ユンは顔を見る度に、臆面もなく言う。それが明姫には照れくさくもあり、また嬉しくもあった。嬉しいのは何も愛されたのが国王だからではない。彼の言うように、イ・ユンという一人の男にここまで愛されたことが明姫にはこの上ない歓びであった。

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