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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第18章 第四話 【永遠の少女】 謀(はかりごと)  

「どうか私を死罪に処して下さいませ。たとえいかなる理由があろうと、和嬪さまの尊いお身体を手に掛けたこの罪は死んで償わねばなりません」
 ヒャンダンが再びその場に手をつかえ、頭を垂れた。明姫は涙を流しながら、しゃがみ込み、ヒャンダンをそっと抱きしめた。
「ヒャンダン、私にあなたを殺すなんて、できるはずがないじゃない。しかも、あなたは愚かな私を身の危険を覚悟で諫めてくれた。あなたを失ったら、私はこの世でたった一人の親友をなくしてしまうことになる」
 世子の母であり、現在も国王の御子を宿している明姫は後宮では中殿に次ぐ重い立場にあった。その明姫の頬を打つからには、その場で切り捨てられてもおかしくはない。それだけの覚悟をもって、友は明姫を生命賭けで諫めてくれたのだ。

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