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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第18章 第四話 【永遠の少女】 謀(はかりごと)  

 ヒャンダンに一喝された瞬間、まさに明姫の迷える心も霧散したのだといえた。
 彼女の言うとおりだった。今、死に瀕しているのが我が子であろうと、小花であろうと同じことなのだ。明姫は既に次代の国王となるかもしれない御子をその身に宿している。出産まであとふた月、何としてでも無事に元気な子を産まなければならない。それが明姫に課せられた唯一絶対の使命なのだ。
 そのためには、どれほど辛かろうと大切な人であろうと、涙を呑んで別れを堪え忍ばなければならない。

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