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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと

 明姫の言葉は途中で遮られた。
「気になるのは、もっと他のことだ。女官たちは国王はどんな男だと噂している? 教えてくれ」
「どんな男?」
「その、つまりだな」
 ユンがもどかしげに言った。
「容貌とか、男ぶりだとか」
 明姫は考え込んだ。
「容貌については、あまり聞かないわ。あ、そういえば、誰かが言ってたっけ。竜顔麗しく、凛々しくも輝かしき美貌の君であられるとか何とか」
「そうかそうか、凛々しくも輝かしき美貌とはな」
 ユンは一人でにこにこして悦に入っているようである。

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