身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第20章 第四話 【永遠の少女】 永遠に理解し得ぬ二人
明姫の一生懸命な言葉はそこで途切れた。
大妃が狂ったように笑い出したからだ。
「まったく愚かでおめでたいのか、それとも、単に主上のご寵愛を笠に着て恐れ知らずなのか」
大妃の止むことのない笑声は明姫の心を凍らせ、春の空へと消えていった。
ひとしきり笑った後、大妃の切れ長の眼許がよりいっそう鋭く細められ、柳眉の間の皺が深くなった。
「私が苺が嫌いだとそなたは知らなかったのか?」
語気も鋭く言い放った後、彼女は呟いた。
「まあ、鯉の餌くらいにはなるかもしれぬな」
言うが早いか、明姫が差し出した小卓の掛け布をめくり、涼しげなガラスの器に盛られたそれをパッと勢いよく池に棄てた。
大妃が狂ったように笑い出したからだ。
「まったく愚かでおめでたいのか、それとも、単に主上のご寵愛を笠に着て恐れ知らずなのか」
大妃の止むことのない笑声は明姫の心を凍らせ、春の空へと消えていった。
ひとしきり笑った後、大妃の切れ長の眼許がよりいっそう鋭く細められ、柳眉の間の皺が深くなった。
「私が苺が嫌いだとそなたは知らなかったのか?」
語気も鋭く言い放った後、彼女は呟いた。
「まあ、鯉の餌くらいにはなるかもしれぬな」
言うが早いか、明姫が差し出した小卓の掛け布をめくり、涼しげなガラスの器に盛られたそれをパッと勢いよく池に棄てた。