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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第21章 第二部【身代わりの王妃】 王の花嫁

 後の調べで判ったことだが、明姫が呑まされたのは猛毒であった。それも致死量をゆうに上回る量で、これだけの毒を飲まされたからこそ、ほぼ即死状態であったことも判明した。
 その時、この事件についてもっと糾明しようと思えばできた。だが、ユンはしなかった。一切の調査はせず、明姫の死は難産ゆえと王室の歴史を記す書物には記された。
 ユンが何故、一切をつまびらかにしなかったか? 愛妻の死は国王の母大妃が仕組んだものであると悟ったからだ。大妃はかつてユンが明姫を側室として迎えると宣言したときも猛反対したのだ。

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