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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第21章 第二部【身代わりの王妃】 王の花嫁

 もう、懲り懲りだと思った。母や伯父は殺してやりたいほど憎いが、彼らを殺して明姫が生き返るわけではない。また、心優しい明姫であれば、ユンが実の母や伯父を死に追いやることをけして歓びはしないだろう。
 ユンは断腸の想いですべての真実を闇に葬った。
―私はもう、疲れた。
 この世のすべてが空しい。明姫のおらぬこの世で、自分は何を支えに生きていけば良いのか?
 若い国王は明姫を失ってからというもの、笑わなくなった。それでも、王としての務めは果たさなければならない。

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