身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第2章 第一話 【桜草】 戸惑いと、ときめきと
九年前、自分だって妓楼に売られてくる可能性もあったのだ。火事で両親も何もかも失った。あの時、母方の祖父母に引き取られていなければ、女官にはならずに妓生になっていたかもしれない。
生きるために、自分の身体を切り売りする。それはどんなにかやるせなく辛いことだろう。しかも好きでもない男を相手に夜毎、身を任せなければならないなんて。まだ生娘にすぎない明姫にも何となくではあるが、想像ができた。
「女って哀しい生きものだわ。こんなことを言っては畏れ多いけれど、ここにいる妓生と国王殿下の後宮にいる私たちもたいして変わらないのよ」
「女官と妓生が同じだというのか?」
ユンが心外そうに眉をつりあげる。
生きるために、自分の身体を切り売りする。それはどんなにかやるせなく辛いことだろう。しかも好きでもない男を相手に夜毎、身を任せなければならないなんて。まだ生娘にすぎない明姫にも何となくではあるが、想像ができた。
「女って哀しい生きものだわ。こんなことを言っては畏れ多いけれど、ここにいる妓生と国王殿下の後宮にいる私たちもたいして変わらないのよ」
「女官と妓生が同じだというのか?」
ユンが心外そうに眉をつりあげる。