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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第21章 第二部【身代わりの王妃】 王の花嫁

―中殿、そなたが私を慕っていたなどと、私は知らなかった。
―申し上げなかった私が悪いのです。その点、和嬪こそ真に王妃となるべき器の女子(おなご)でした。あの者であれば、殿下に何人の側室がお仕えしようとも、己れの心よりも殿下のお立場を理解し優先することができたでしょうに。
 王妃はユンを見て、少女のように無邪気な笑みを見せた。
―殿下の妻となった十五歳のときから、私はずっと殿下をお慕いしておりました。長い長い片想いでしたが、これで漸く苦しい恋も終わりです。
―中殿。
 ユンは別人のようにやせ細った妻を抱いて泣いた。

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