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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

 ユンもむろん、嬉しくないはずはなかった。初めての王女が亡くなったのは、もう十七年も前のことになる。生きていれば今頃はもう有力な両班の子弟に降嫁している年頃だ。自分も四十くらいで祖父になっていたかもしれない。
 だが、第一王女はこの世の光さえ見ることなく先立ち、明姫の産んだ静献世子も一歳を迎えられず亡くなった。更に明姫との間の二番目の子は胎内にとどまったまま亡くなった。自分には所詮、子は授からない宿命なのかと諦めたこともあったほどなのだ。

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