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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

 新しい側室たちから生まれたのは皆王女ばかりではあるが、ユンにとって男女の別については正直、どうでも良かった。四人もの可愛い娘に恵まれた自分はつくづく幸せ者だと思う。その意味で、自分に健やかな娘たちを与えてくれた側室たちには烈しい愛情ではないけれど、穏やかな感謝の気持ちと親愛の情は抱いている。
 明姫に対して感じたような、あのような烈しい恋情を感じることは、もう二度とないだろう。最愛の女を失ってからの長い年月の中で、ユンは静かな哀しみとともに感じていた。

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