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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第22章 第二部【身代わりの王妃】 稚(おさ)な妻 

 春花は小さく頷き、か細い声で応えた。
「もし王妃になるという話を受けなければ、父が成均館の仕事をできなくなると言われました」
「大方、そのようなことであろうと思った」
 呆れ果てたように言い、王は春花の髪を梳くように優しく撫でた。
「そなたの望みを必ず叶えてやれると約束はできないが、今後、できるだけ実現できるように努力はしよう。今はとりあえず、それで良いか?」
「ありがとうございます、殿下」
 春花は律儀に頭を下げて礼を言った。そんな彼女の髪を王はまた撫でた。

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