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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】

第23章 第二部【身代わりの王妃】 抜け殻

「殿下、いつも温嬪さまを見つけていただき、ありがとうござます」
「いや、温嬪がこのような姿になったのも私のせいなのだ。気にすることはない」
 ユンが微笑み踵を返そうとしたその時、尚宮の声が追いかけてきた。
「殿下。温嬪さまは私どものことも最早、お判りではないのです」
「そうか」
 ユンは振り向かず、短く返した。
「ですが、温嬪さまは何故か殿下お一人だけはどなたであるかをちゃんとご理解していらっしゃるようなのです。それだけ温嬪さまの殿下へのお気持ちが深いものではないかと我らはお察し申し上げております。どうか、ぐれぐれも温嬪さまをお見捨てなきよう平にお願い申し上げます」

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